禁煙マスター JAENESKO

4️⃣ 煙のない喫煙所 - 第四章 未来の明細

プレミアム ・ 禁煙文学部 ・ 2026-07-06 ・ 2分

N氏は最初、それを見ていなかった。残り本数と使用時間が表示されるだけだと思っていたからだ。しかし、昼休みが消えてからは気になり始めた。

未来煙草には、専用のアプリがあった。

N氏は最初、それを見ていなかった。残り本数と使用時間が表示されるだけだと思っていたからだ。しかし、昼休みが消えてからは気になり始めた。

画面を開くと、明細が並んでいた。

一月十二日 退勤後の駅までの散歩 七分

一月十三日 風呂上がりのぼんやり 十一分

一月十四日 日曜の朝の二度寝 十九分

一月十五日 妻との雑談 六分

N氏は、最後の項目で指を止めた。

妻との雑談。

たしかに、その日、妻が何かを話していた気がする。近所の犬のことだったか、スーパーで見つけた果物のことだったか、娘から来たメッセージのことだったか。思い出せなかった。

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