禁煙マスター JAENESKO

7️⃣ 煙のない喫煙所 - 第七章 最後の商品

プレミアム ・ 禁煙文学部 ・ 2026-07-12 ・ 2分

数日後、N氏のもとに一通の封筒が届いた。

数日後、N氏のもとに一通の封筒が届いた。

差出人は、未来煙草の会社だった。

「長期ご利用のお客様へ」

中には、金色の細い箱が入っていた。説明書には、こう書かれていた。

「最終煙草。喫煙にまつわる欲求そのものを、きれいに燃やします」

N氏は眉をひそめた。

都合がよすぎる。

説明書は続いた。

「本商品は、お客様の中に残る喫煙の記憶、憧れ、習慣、口寂しさ、言い訳などを、一本で処理します。使用後は、煙草を必要としない状態に近づきます」

そんなものがあるなら、最初から売ればいい。

そう思った時、説明書の最後の行が目に入った。

「ただし、喫煙にまつわる楽しかった記憶も同時に失われます」

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